神宮球場

小林です。

プロ野球観戦の話です
ファン暦30年、ヤクルトスワローズが7/30現在首位を走っております
今年こそ久しぶりに優勝が見たいです

一人で神宮球場に見に行ってた頃の話です。
ヤクルトは節目の試合以外は平日なら殆ど当日チケットが取れるので思い立った時にフラっと行けます

いつものように時間が出来たので神宮へ。

チケット売り場に並び順番を待っているとおじさんに声を掛けられました
『すいません、お一人ですか?実は一緒に見ようとした友人が来れなくなってしまって、内野の良い席なので良かったら譲りますけど』
はぁ?なんだコイツは。新手のダフ屋だな。
チンピラがジャイアンツの帽子なんぞかぶってカモフラージュしやがって。
大体ボクはねぇ、ヤクルトファンなんだよ!巨人側ですよその席ッ

ちょっと待てよ。。。それS席だな
どうせ応援とかしないしビール飲んでまったり野球を見るのも良いか。。。
よし親父!買ってやろう

『あー。因みにいくらですか?』

チンピラカモフラージュダフ屋親父は
『いえ、あげます。隣に私が居るのが嫌でなければあげます』
『1席だけではお一人様で来られてる方で無いと貰って頂けなくてね困ってたんですよ』
『勿論お一人で来られているのでゆっくり見たいでしょうから邪魔しませんので安心して下さい』

うん良く見ると品格のあるおじ様だ。世田谷に住み、嫌味の無い外観に愛犬がはしゃぐ庭、綺麗で和服の似合う奥様に息子と娘が居るセレブ。貿易会社を経営し従業員からの信頼も厚い。息子はそんな父の背中を追いかけて居る。きっとそんな方だろう。ジャイアンツの帽子もかぶりこなし、タオルをストールのように巻き、落ち着いたトーンで話すまさに紳士。俺の人を見る目は狂ってない。勿論想像

『ヤクルトファンですが良いですか?』

『気になさらないで下さい』

『ではお言葉に甘えて』

そしてタダチケットで紳士の隣での試合観戦が始まり
時折りジャイアンツの選手にダメ出しなどをし以外と熱くなったりする紳士
恐らく大の巨人ファンなのであろう。普段は温厚な貿易王もこんな一面もあるだろう

そして私に話し掛ける事等は無く試合は終了。
結果 ヤ10-2巨 ヤクルト快勝

帰ろうとする紳士に私は
『今日は有難う御座いました』とお礼をすると、、、凄い形相で睨んでます。

ここからは想像ですが、
無料で上げたチケットは敵チームのファン、しかも弱小スワローズにまさかの大敗
しかもこのガキはタダでチケット貰っといてビールや食い物の一つもどうぞと出して来ない。マヌケな顔してアリシタだと。畳の上でコロしてやろうかクソヤクルトファン!

『黙れ小僧!』
そう言い放ったように怒りを抑えた顔で無言で去って行きました。

そんな世にも恐ろしい神宮球場の体験談でした。