【男の趣味】~④~

どうも【男の読み物】です。
順調に思われた初のロングライド100㎞チャレンジ。
自転車専用路に入るのに堤防工事に阻まれ、予想より早い水分の不足!
そしてペダル付近からの異音!
近づく雨雲・・・
一体どうなってしまうのか?続きをどうぞ。

走るたびにギイギイと同じリズムで異音は鳴り続けます。
そういえば前にも一度異音が鳴った事がありました。
その時は、何もせずとも次に乗る時には異音が消えていました。
なんか勝手に直ったのだろうと軽く考え、自転車やに整備も出しませんでした。
激しく後悔します。

失われていくエネルギー、でもコンビニを探すと迷う危険性。
慣れてないビンディングペダルで普通の道路を何十キロも走るのは避けたい状況です。
来る時に堤防の上に建っていた目立つ建物が目に入りました。
確か市が運営している類の建物で、良く見ると“加須総合交流ターミナル施設子ども宇宙科学館”と書いてあります。
行く時には暗かった館内も今は電気が点いています。
そのまま近づくと飲食コーナーも見えます。そしてストーブも見えます。
これは救いと思い、ロードバイクを止めて入る事に決めます。
ついでに異音の原因を探ろうと試みましたが、素人で初心者の私にはさっぱりわかりません。あきらめていそいそと館内へと入ります。
一目散にストーブ前を陣取ります。とは言っても早朝なので私以外に他に人と言えば掃除をしている職員くらいです。
ストーブの前から飲食コーナーを見ます。
どうやら閉まっており、雰囲気的に開くのかどうかすら分かりません。
しかしエネルギー補給はどうしても必要です。飲食コーナー入り口に自販機がありました。
そこに見えたのは“翼を授けてくれる”あのドリンク。“赤い牛のロゴ”のあのドリンクがあったのです。
急いで小銭を取り出し、買います。そして飲みます。そしてなんか復活した気がしました。
あまり時間を使うと雨の心配が大きくなるので宇宙科学館内を後にしました。

相変わらず異音は鳴り続けます。心なしかペダルが重い気もします。
とうとう雨も降っていると言える程になってきました。
せっかく少し暖まった体も直ぐに冷えてきました。

とうとう4つ目となるアクシデント発生!!

先に皆様にお聞きしたい。
“足が攣る感覚”をご存知でしょうか?
あの次伸ばしたら“攣るな”って感覚です。次動かしたらコレ、イっちゃうなってあの感覚。
ちょっと揉んだりしたら直って、でもまた“攣るな”ってあの感覚。

分かりますか?

攣る=筋肉が急に収縮する。ひきつる。痛い。

それが私を襲ったのです。
始まりは右脹脛(ふくらはぎ)でした。されど漕ぎ続けなけれ前に進めません。
右手で右脹脛を揉んで誤魔化しながら走ります。
少し治まったかと思うと今度は左脹脛。
仕方ないので左手で左脹脛を揉んで誤魔化しながら走ります。
そして治まったかと思うと今度は右太腿(ふともも)。
やはり右手で右太腿を揉んで誤魔化しながら走ります。
治まったと思うと予想通りの左太腿・・・・
以下繰り返し。繰り返し。繰り返し。

そして気づけば・・・
最後にして最大の5つ目のアクシデントが発生です!!

雨脚は最高潮に強くなり完全な本降り。
降ってます。完全に雨、降ってます。
濡れてます。路面、濡れてます。
ダウンジャケットも手袋も顔面も濡れてます。
こうなると初心者には絶望しかありません。
重くなっていく足、いつ攣ってもおかしくない一瞬の気の緩みが命取りです。
雨は顔をバシバシと叩きます。頑張って漕げば漕ぐほどに強く頬を叩きます。
堤防下の川沿いには工事車両であるダンプカーが行き交います。
“ガチでお願いしたら3,000円渡せば、雨の降っていないところまで乗せて行ってくれないか”
なんて、折れそうな心は100㎞チャレンジ中にも関わらず邪な考えを頭に過ぎらせます。
相変わらず近くにコンビニなんかもなさそうです。
様々な考えが頭を駆け巡ります。
“頑張れば雨雲を追い抜けるんじゃないか?”
失われていく体力、40㎞地点では時速27㎞くらいのスピードで軽快に飛ばしていました。
速度計を見ると時速19、18、17㎞と落ちています。
そんな状態で雨雲をぶっちぎるなんて到底不可能です。
前方に橋が見えました。 そこで“雨宿り”の決断を下しました。
このまま堤防上の自転車専用路を走り続けるのは危険です。
かと言って自動車の走る知らない道を走るのも危険だとの判断です。
さっさと“雨宿り”なんてすれば良いじゃないかと思うかも知れませんが、やはり一度止まると情熱や気力が失せます。
橋の下で携帯の地図を見ながら家に帰るルートで最適な道を探します。
この頃には私の心は100㎞クリアよりとにかく家に無事辿り着く事が目的になっていたように思います。
地図で調べるとどうやら堤防の専用路を行くのが一番分かり易く早い事がわかりました。
家までまだ20㎞以上あるようです。
雨脚が弱まるのを待つしかにと考えていると、不思議な事にピタリと雨が止みました。
雨雲が去ったのでしょうか?空を見上げるとまだどんよりと暗い雲が漂っています。
しかも恐ろしい事に、さらに後ろに漆黒の雨雲が控えているではありませんか。
雨が止んでいる内に少しでも家に近づかなくてはと直ぐにまた出発する事にしました。
結局雨宿りはを10分程度で終えて橋の下を後にしました。

もうちょっとだけ続くのじゃ。