俺の風俗体験記 ~白川PartⅠ~第十話

受付はあざ笑うかのように言った。
『はい。ご指名料、入会金全て合わせて三万四千円になります』
とんだバッドラックと踊っちまった。
WEBページには書いていなかった。
と、思う。
思い起こしてみる。
―女性の画像に気を取られ、注意事項等をしっかりと読んでいなかったかも知れない―
誤算。
良くある事なのかも知れない。
経験がそう告げている。
ここで受付と揉めるつもりはない。
有利に駒を進めなくては。
修羅場はいくつも踏んできたつもりだ。
計画を変更するしかない。
俺は受付に言った。
『そうだ!やっぱり初めての店だし指名は無しで、お兄さんのお勧めでお任せするでゲス』
危険な橋を渡る事になるかも知れない。
経験がそう告げていた。
依頼を受けた時から覚悟は出来ていた
そこまでしないと社長に借りは返せない。
それほどに大きな借りだ。
そう、初めての風俗を奢ってもらうと言う事とは。
思えば10年程前だった。
おっと、思い出に浸れるほど余裕ある状況じゃない。
俺は今の状況を整理した。
―池袋はまだまだ俺に厳しい―
ただ、予想外の事はこれだけとは限らない。
俺は財布を出すよりも先に懐の用心棒を確めた。
―出来れば使いたくは…―
だが計画がここまで大きくずれた今、躊躇などしていられない。
いよいよ用心棒に活躍してもらう時が来たようだ。
やはり、経験が告げている。
そして俺の頭の中のサイレンはもうずっと鳴り続けている。

続く。