俺の風俗体験記 ~白川PartⅠ~第十八話

ベッドから立ち上がった俺に、待ち構えていたさらに過酷な運命。
それほどの責を俺は追うのか?
自問。
否、そんなはずはない。
自答。
都合の良い自分への言い訳だった。
りょうの手は相変わらず休まる事は決してなかった。
取り付かれたように、優しく時に激しく。
舌を使い、手を使い、そして恐らくは腰をくねらせ全身を使い。
そして俺に背後から語りかける。
『自分でパンツを脱いで。ゆっくり下ろしてね。』
俺に何もかもを捨て去れとこの女は言う。
夜。
孤独。
それだけで俺は何もかもを失ったと思っていた。
経験が告げて教えてくれた。
しかしりょうは違った。
彼女だけは違ったのかも知れない。
俺自身も知りえない、隠された感情を見つけ出しては彼女は捨て去れと言う。
すでに俺は、依頼を受けてしまった事に後悔を感じ始めていた。
つくづく自分の性格が嫌になる。
人に借りを作らず、常に優位に。回収する側へ。
だが実際はどうだろうか?俺には分からない。
考えるのを諦める。
俺は自分の下着に手を掛けた。
その瞬間。ふと俺が振り返った、その時。
りょうはおもむろに自分の背へと手を回すと、上半身唯一の守り。
俺に立ち塞がる連なる火山を、溶岩を自らの手で取り去った。
そこには二峰の雪山が姿を現す。
露になる乳房。
たゆん、たゆん。
十八禁の卑猥な漫画であればこう表現される擬音。
ルージュのように赤い乳頭。
立っている。
彼女も、りょうも俺と同じだった。
程好い大きさで、赤ん坊に独占はさせられないほどにしゃぶりたくなる。
そして形の良い、大きな。
大きな胸。これが胸。これぞ胸。
これこそが女の胸。
夢の女を思い起こされる。
―ここでも俺は遅れを取るのか?―
俺は手にかけたCalvin Kleinを素早くずり下ろした。
足を使い、完全な俺へと。
りょうはそっと俺の前へ回り、IKEAのバスタオルより癒しをあたえるように俺を抱きしめる。
かと思うと離れる。
俺のミスタービーンズと自分のミスビーンズをお見合いさせる。
掴まれた二の腕から、りょうの手の温度が伝わる。
さようならの様にりょうは後ろを向く。
そしてホックを外してスカートを床に落とす。
そして尻を、尻を、尻を!
AでもないZでもない。
無論HではあるがHではない。
俺は確かに見た。
見間違える筈がない。
彼女はアルファベット部隊二十番目の刺客。
そう…。
Tバックを着用していた。
その極小布面積しかないブラジャーとお揃いの赤のTバックを履いていた。
尻ホッペが完全に露出されていた。無防備な尻ホッペを俺の、俺の、事もあろうか俺の生用心棒に押し付ける。
冷やりと、冷たい感触が股間に伝わる。
しっとりと濡れているかのように錯覚する。
いや、濡れているのは生用心棒の汗のせいだった。
今更だが、経験がそう告げていた。

続く。