俺の風俗体験記 ~白川PartⅠ~epilogue

~エピローグ~

もう春が芽吹き始めている。
太陽と鬼ごっこもたまには悪くない。
今日は休みだ。月とはまた夜にでも会えばいい。
柔らかな光が俺を包み込んでくれる。
街は暖かくなるにつれ冬とは違った様相を見せてくれる。
俺は【痴女りたい】での一件をあらためて思い返していた。
依頼主である星社長にはすでに先程、レポートにまとめて報告を終えた。
俺はパソコンのモニター見つめる。
夢の女がそこには居た。
ドキドキメモリアルのりょうちゃん。
いくつかの操作をこなしてそのデスクトップ画像を消去する。
名残惜しさはない、と言えば嘘になる。
苦い思い出が甘くなる事はない。
そう、経験がいつも俺にそう告げる。
俺は新たな女の写真をデスクトップ画像に設定する。
その女は赤いTバックをはいていた。
顔はモザイクで良くわからないが、魅力的に見えた。
―フッ、今考えるとあの店の修正は惨い―
それでもいい。
俺は妙に納得をしてパソコンの電源を落とした。
丘嶋にはなんとなく、後日ブラックコーヒーをご馳走した。
糖尿の疑いがあるからだ。
社長への借りも、依頼者からの信頼は守れたつもりだ。
ふと携帯を見る。
俺はそれを手に取る。
久しぶりの番号を呼び出しプッシュする。

『もしもし、お袋か?俺…だけど。今度連休取れたら帰るから。』