【男の趣味】~⑤~

どうも【俺の読み物】です。
ちょっとだけ、趣味のロードバイクについてお伝えするつもりが・・・
私の悪い癖ですね。なんか長くなっちゃいました。
これもご愛嬌と言う事で、ここまで見て頂いた方はどうか最後までお付き合い下さい。

どうなる!初のロングライド100㎞ チャレンジ
いよいよ感動も何もない最終回です。

橋の下から出た私は相変わらず足が攣る恐怖と戦いながらペダルを漕ぎ続けます。
ペースはある程度のところまで落ちるとそれ以上は落ちませんでした。
足を庇いながらのペダリングは想像以上に体力を奪われます。
それでも懸命に漕いでいると記憶の濃い地域まで戻ってきました。
何度か通った事のある道です。その先には堤防工事の地域があり専用路を通れません。
気づけばまた雨が降ってきました。
そこで川の反対側を走る事にしました。
今思えば一つの賭けでした。
冷静に考えればこちら側に自転車専用路があるからと言って対岸にもあるとは限りません。
むしろ無い可能性の方が高いのでは?
それでもその時は何も考えずに対岸へと向かえる橋を渡りました。
対岸へと辿り着くと考えは杞憂。
自転車専用路がありました。
残りは十数キロ。ラストスパートです。
とは言っても、ペースはあげずにと思っていたそんな矢先!!!
またも雨脚が強まってきました。
空を見上げると奴がもうすぐ後ろまで迫ってきています。
雲の動きを見てると、風向きが変わったのか私と同方向には進んでいないようでした。
このまま堤防沿いを後数キロ進めば私と雨雲の道は右と左へ別れていきそうです。
ただ、この数キロが長い。
冴えない頭で計算すると30分近くかかりそうです。
それでもこの堤防沿い専用路を行くしかありません。
進むしかありません。
雨は私を笑うかのようにどんどんと雨脚を強めます。
体力を奪います。
気力すら奪われそうです。
自分の心を騙す為に思わず叫びます。
『うぉおおおおおおお!!負けてたまるかぁあああああ!!』
これ、実際に声に出して叫んでます。
雨の堤防には誰も居りませんので・・・

そうこうしてやっとの思いでようやく見えた国道4号線へと繋がる道路。
ゴールは目前。
残り距離を計算すると8㎞程度です。
帰れる。やっと家に帰れる。
堤防を降りて一般の道路へと入ります。
そして国道4号から今度は近所の川沿いの道へと入ります。
見慣れた景色、安心はありますが気は緩められません。
雨は止んでいないですし、足はいつでも攣ってやるぞと待ち構えてます。
そして完全なエネルギー不足。
ここまでくればちらほらコンビに見えてくるはずです。
でも今止まってしまうともう動き出せそうもありません。
遅くとも歩は休めず。着実に家へと近づきます。
川沿いを離れて残り数キロの道。
あとちょっと、ちょっとだけでいいのでエネルギーが欲しい。
自動販売機があちこちにあります。
冷えた体に・・・
そうだ!!コーンポータージュを飲もう。
暖かい飲み物の上、固形物であるコーン粒も入っています。
そして一台の自販の前に止まります。
とは言っても完全には止まらずに乗ったままで。
自販機に小銭を入れて。コンポタ、コンポタ、コンポタ・・・

ない!!なんでだぁああああああ”

この極寒の季節、暖かいコンポタを販売していない自販があるなんて。
誤算でした。
残り距離は家まで3~4㎞程度。
エネルギー補給は諦めました。
ここまで来れば後は気力、精神力、そう言った類の測れない力を発揮するのみ。
よくぞここまで戻って来れたものです。
足の攣りは相も変わらず気が抜けない状況。
雨はほぼほぼ止んでおります。
異音は当初より強く鳴っています。右のペダルが最上位に来た際に
ギイ・・・ギイ・・・
鈍い音で体から力を奪っていきます。
右、左、右、左、ゆっくりではあるものの、確実にペダリングを行います。
そしてとうとう自分の住む町へ。
目を瞑ってもどう進めば一番早く辿り着けるかがわかります。
実は途中から携帯を取り外して居た為正確にここまでの距離が何キロなのかは分かりません。
果たして100㎞は達成出来ているのか?
今までで一番長い距離であることは間違いありません。
ようやく我が家が見えました。
最後の力を振り絞って、遂に遂に家へと。
ゴールです。
距離は分かりませんがとにかくゴール

家に入ると一欠けらのチョコレートを食べました。
貰った事は無いものの・・・
好きな女性から貰うバレンタインチョコはきっとこのくらい甘く美味しいのだろうと感じました。
体中に糖分が染み渡ります。
少し体を休めてから暖かいお風呂にゆっくりと浸かりました。
足を念入りにマッサージしながら。

風呂上り、ソファーに腰掛けて携帯に手を伸ばしました。

100㎞チャレンジの結果は・・・・

達成ならず!!!
残念ながら88㎞でした。

以上でございます。